ゆうすげ
この本についてはオンライン読書会で話したので、思い出しながら書いておこう。
手にとったきっかけは、薦められて。著者の優しげな雰囲気と、最近私が短歌を作っているので読んでみてはどうか?という感じだった。
自分が田舎暮らしをしているのもあって、お花や食べ物の歌が目に浮かぶ様なインスピレーションを運んできてくれる。
旧仮名遣いなどで、はじめは少し難しいと感じたけど、読み進めていくうちにリズムが掴めてくる。言葉の意味や文脈などに意識がいってたけど、もっと手前にあるリズムという要素に気づけた。
印象に残った歌をひとつ記すと
"静かなる園(その)の夕(ゆうべ)に暮れ残るすずらん揺れて鳴るかと思ふ<鈴蘭>"
実際には鳴っていない音が鳴っている。美しい情緒だと感じた。すごくいい。
読書会の後になって"暮れ残る"という表現を見落としていた事に気づいた。考えてみると、たったこれだけの文字数なのにこぼれてしまう言葉があるなんて、自分でも驚いている。
歌集 ゆふすげ (美智子)